StarDust Tears

『蓬莱学園の冒険!』プレ30周年記念イベント #2

阿佐ヶ谷ロフトA

 前回の前売りチケットはすぐ売り切れたのに今回はわりと残ってて当日券も出ていたので、前回がN90同窓会の趣だったのに対して今回は小説版がメインだから、やはり蓬莱のメインストリームは小説よりPBMなのか? と小説からどハマリした私は複雑な思いがあったのですが単に会場キャパが前回50、今回80くらいとのことで最終的には今日もほぼ満席になっていた模様。新城先生いわく日時を指定した時点で三連休の中日だと気づいてなかったとのことなのでその影響もなくはないのかも?

【出演】
新城カズマ(小説家)
坂東真紅郎(ゲームデザイナー)
高崎とおる(小説家、シナリオライター)

【ゲスト】
賀東招二(小説家、脚本家)
菅沼拓三(元ドラゴンマガジン編集長、小説家)

 今回も二部構成で第一部は富士見ファンタジア文庫刊の小説の内容を一冊ずつ振り返るトーク、第二部が裏話など。私も長編はわりと再読してるんですが短編集は久しく読んでないのがあって懐かしかった。

 前回のイベントでも新城先生が「当時は学園ものというジャンルの作品がほとんどなかった」と強調していて、リアルタイムのユーザーとしてもそうだったかな? とあまり実感がなかったんですが、初代担当編集の菅沼さんも学園ものがやりたくて蓬莱小説の企画を立てたと言うてたのでそういう時代ではあったらしい。ファンタジア文庫だけにSF・ファンタジーが中心だったというレーベル事情もあったようですが。さらにその次の段階としては内容が学園ものを逸脱して「学校に行かない学園もの」化するという問題もあったという。蓬莱にしてからが当時の歴彦社長に「『~初恋!』はいい、学園で初恋だから売れる。しかし『~犯罪!』てのはどうなんだ? 学園で犯罪?」とツッコまれたと。そこで新城先生も『~犯罪!』のプロットを作る前の段階で「このまま朝比奈純一をレギュラー主人公にして毎回ドタバタ劇をやるシリーズにしたほうがいいんじゃないか」という考えはあった、と発言。賀東先生が思わず「わかってたの!?」(会場爆笑)

 で、実際問題として『~革命!』の続きはどうなってるの? という話に切り込むと、新城先生としては「依頼があれば書く。皆さんのお力次第」という従来通りのスタンス。富士見書房(現KADOKAWA)としては昔の作品すぎて忘れられているだけで、他社から再刊行するのにも障害はないだろう、とのこと。既刊の電子化についても角川はBookWalkerで電子書籍も手厚くやっているので、昔の作品は電子データがない状態からの製作だけど安く作るノウハウはすでに確立されてるはず、とも。実際、ファンタジア文庫のかなり昔の作品でも電子化されてるのとされてないのがあるからなあ。
 さらに、作家として現実に20年前の小説の続きを書けるのか? と賀東先生。フルメタのシリーズ後半で刊行の間隔がかなり空いた自身の経験から「三年空くとかなりヤバい。若さに任せた力ワザでどうにか書き切った」と実作者ならではの懸念を表明すると、新城先生「そんなことが果たして人間に可能なのかどうか、やってみなければわからない」と超然としたコメント。

 個人的には、こうして都内のイベントに50人80人という人数が集まっているわけだし、もう現時点で誰かが音頭を取って呼びかければそれなりの影響力は発揮できる段階に来ていると思う。手っ取り早く実現性が高いのは読者側が主体になってクラウドファンディングで資金を募り新城先生に直接執筆を依頼、旧作も含め電子書籍で刊行、ではなかろうか。クラウドファンディングって乗っかって出資したことないけど、この件に関しては全力で行く用意がある。

 他に印象に残った話としては菅沼さんが新城先生に最初に会った際の第一印象として映画『Glory』のマシュー・ブロデリックに似てた、と言うと賀東先生『正しい児童文学』の作中作『うんこマン~』のラストシーンは『グローリー』のイメージ! と盛り上がる。
 あとは細かいところだけど桐部征良の秘書の竹中正樹は実はかのえゆうし先生がコミカライズで出したキャラを賀東先生が逆輸入(?)したものだとか。そのマンガ『ジャングル桐部』が再録された同人誌が会場から出てくるという。

 それから最後の質問コーナーで、「『~初恋!』の“あの娘”に名前の設定はあるのでしょうか?」の問いに新城先生「『~革命!』のラストで彼女の名前がわかる。それも名前を見ると「あー!」ってなる仕掛けがある」と爆弾発言。最後の最後でとんでもない新情報が飛び出した。思わず「マジか!?」と叫んでしまった。仕込みじゃないかと疑いたくなるくらいクリティカルな質問だったことになる(笑。 読むまで死ねないわ、との思いを新たにした。

 そしてイベントの告知にもあった蓬莱小説執筆時の設定資料が今回発掘されたもの、そのコピーが来場者限定で配布されました。内容についての説明もあって、形式としては物語の各段階での人間関係を図示した一種の人物相関図。これを見ると『~革命!』既刊には未登場の『~犯罪!』メインキャラもガッチリ組み込まれていて、なんとなく彼女らはもう直接登場はしないのかと思ってたので意外だった。上の情報と合わせて、やはり八雲睦美時代の総決算であると同時にシリーズ集大成の位置づけでもあるのだろうか。

 イベントの今後ですが、「2020年現在の蓬莱学園はどうなっている?」を皆で考えるような流れになっていくだろう、とのこと。それは難しい……。今も「本土の十年先」なのだろうか。「島が沈んでるかもしれない」という説も出たけど(笑。
 
 物販で蓬莱学園謹製・紅白饅頭も買いました。


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