StarDust Tears

『地球外少年少女 後編 「はじまりの物語」』

新宿ピカデリー

パンフ売り切れじゃーん! と思ったら前編と後編で別のパンフがあるわけじゃなく一緒のやつだった。もう買ってたわ。

 さて後編、ドラマとしては思ったより王道の展開だったけど、情報が全然咀嚼しきれなかったので現時点で感想を書ける気がしない……。Netflix でもう一回は観なければ。

 以下ネタバレ。

 とりあえずテロリストの正体はもう一ヒネリして欲しかったとか、テロリスト本人が目の前にいてあの状態ならフィジカルに制圧したほうが早いやろとか、未来予測した上で行動してるようには見えないとか、死ぬシーンがショッキングな割に切り替え早すぎとか、いろいろツッコミたくはなった。
 ただ最後に彗星の質量が実際には計算よりずっと少なかった=人類の3割強を虐殺する意図は最初からなかったんじゃないかみたいなことサラッと言ってたけど、それは結構などんでん返しで、ということはセカンドセブンは人間にウソ吐いて脅した上でそれに対するリアクションまで計画に織り込んでたことになるが、だったら那沙も死ぬ必要なかったじゃんてことになってしまうので不治の病だったっぽい描写はそれを緩和してもいるのかな。那沙がどこまで承知して話に乗っかってたのかも不明だが、そこはそれでいいのかもしれない。

 AI同士の主導権争いって画にならないし話として見せるのが難しいと思うんだけど、「フレーム」というキーワードを軸にした議論みたいになってたのはうまいと思った。「人類」と「人間」を別のものと認識してるみたいな話はもう少し掘り下げてもよかったのでは。「人間と人間のフレーム結合は可能なのか」て質問が出るあたりはすごく人工知能SFっぽい。でも「どこでもない場所」の映像表現はやっぱりあんな感じになっちゃうのかという印象だった。あれを超えるイメージを期待してたのだが。

 あとフィッツとは何だったのか。まあ未来予測ができない部分=未知のファクターみたいな意味のようなので最初から何を指すのか不明な言葉として定義されたとも解釈できる。てっきり "Future is XXX" みたいなフレーズの略語ってオチになるのかと思ってた。最後に登矢が着てた服のロゴは "FiTsZ" だった。

 ついでに、彗星の塵が一時的に太陽光を遮蔽して気温が下がったのを「環境問題に対する時間稼ぎになった」とか言うてたけど、時間稼ぎどころかどうやら温暖化対策の大本命がこの人工的な寒冷化ってことになりそうなんだよね。ジャパンではまだ政治的に受け入れられないかもしれないけど、SFとしてそこも言及してほしかった。本筋に関係ないけど。

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