StarDust Tears

『ラスト・ワルツ』

早稲田松竹

 劇場で観るのは初めて。あの有名な "THIS FILM SHOULD BE PLAYED LOUD!" をスクリーンで見て嬉しくなる(笑。 音はちゃんとデカめになってた気がする。

 40周年記念上映イベントなんてのもやってたのね。知ってたら行ったかも。
 この映画なぜかブルーレイが輸入盤しかなくて、まあ音楽映画だから日本語字幕なくてもいいっちゃいいんだけど、と思いつつずっと買うのを躊躇してたんだけど、40周年だったつーことはリイシューとかされてないのかな? と思って改めてチェックしたらやっぱりなかったので遂にインポート盤をポチってしまったわい。いや、今回観てやっぱり字幕要らんなと思ったので。

 ザ・バンドの解散ライブをマーティン・スコセッシが撮った記録映画。内容については津原泰水先生が『ブラバン』に書いていた、

あの映画に記録されているものが、そのまま僕のロックの定義になってしまった。
で十分であろう。

 前に観たときはリック・ダンコがバイオリンを小脇に挟むようなポジションに構えて弾いてるのが印象に残ってたんだけど(弾きながら歌うためかと思ってたが歌ってなかった)、今回はたぶんリチャード・マニュエルが椅子に座った膝の上にギターを寝かせて置いてペダルスティールみたいに弾いてるのも発見して、こいつら自由だなと思った。リチャード・マニュエルはこの時期すでに酒と薬でまずい状態だったらしいが、インタビューの場面ですら何かキメてるんじゃないか? というテンションである。それからリヴォン・ヘルムがマンドリン、しかもエレキトリックの! を弾いてるのも確認できる。マンドリンといえばこれも津原泰水先生が初めて手にした楽器であり、リヴォンのそれへの言及もあった気がしたので『音楽は何も与えてくれない』もあたってみたが見当たらない。幽明志怪シリーズにもマンドリンの話があったからそちらだったかしら。と思ったがそれはマンドリンじゃない、ウクレレだった(笑。

 ゲストでドクター・ジョンも出てるのだが、40年以上前だってのに雰囲気変わらねえな! と思って年齢確認しようとしたら今年亡くなってたことを初めて知る。なんてこったい。ニュース見逃してたのはともかくfacebookでもフォローしてるのに。そこそこの頻度で来日公演してたし、観られるうちに観に行っておくんだった。この映画の当時は三十代か。R.I.P.

 ロビー・ロバートソンが演奏活動をやめたくなって勝手にファイナルライブを企画して結局他のメンバーとはケンカ別れになったという経緯が今では知られているが、そのロバートソンは「ロックを何十年もパフォーマンスし続けるなんて不可能なんだ、それをやろうとした連中はみんな死んじゃっただろ」みたいなこと言うてジミヘンやプレスリーなどの名前を挙げている。今でこそジジイになってもやってるロックバンドはたくさんあるが、当時はそんな感じだったのだろう。しかし、彼はレコーディングに専念する形でザ・バンドの活動を続けようとしてたようだが、どう考えたって音楽的にもスタジオで完成度の高い録音物を作って満足、ってタイプのバンドじゃないよなあ。ロビー本人にしてからが、引き籠もって制作ばっかりやってるのが好きなようには見えないのだが。よくわからん。

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