StarDust Tears

『気狂いピエロ』

早稲田松竹

 早稲田松竹は毎度土曜の朝一の回から観ることにしてるので、客が入りそうな時は(最前列真ん中の定位置を確保するために)ちょい早めに行って並んだりするのだが、いまどきゴダールなんか観に来る人どんだけおるんだ? でも早稲田松竹だしなあ、と微妙に客足が読めなくて困った。結果としては人出は大したことなかった。「去年の大ヒット作」くらいの方がわかりやすく客が多いな。俗物どもめ。
 「物販のみのお客様も並んでお待ちください」とかアナウンスしてたがそんなのおるんかい。物販いうてもパンフくらいだけど。

 ゴダール映画ってもっとブツブツ不自然にカットが切れたり生理的違和感がある映画ってイメージだったんだけど、ちゃんと観ると意外とそうでもなかったな。特に押井守は「映画を本当に発明したのはゴダール」「映画にはゴダール以前とゴダール後しかない」「映画とは何かその答えを知っているのはゴダールだけ」とか惜しみない信者っぷりを発揮しまくっているわりに具体的に何がすごいのかちっとも語らないので、押井守が露骨にマネしてる元ネタがあるんじゃないかという観点でも注目してたのだが、それも特になかった気がする。

 一応小説原作であるせいか(たぶん関係ない)、主人公がやたら本を朗読したり暗誦したりするのだがいくつか気になる引用があって確認したくなった。ポーの『ウィリアム・ウィルソン』を「自分そっくりな男を殺してしまう話」と言うてたり、「グラント船長のいる神秘の島~」とか言うてたのはたぶんジュール・ヴェルヌのことだと思うのだが微妙に間違ってる上に妙にマイナー作品への言及なのが気になった(笑。 さすがフランス人(?)。

 いつも配ってる月替わりのチラシに、芳林堂の「ゴダール映画本フェア」のチラシが一緒に折り込まれていた。こんなのも初めて見たな。

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