StarDust Tears

『プリンセス・プリンシパル Crown Handler』第1章

新宿バルト9

今世紀最高のアニメ『プリンセス・プリンシパル』、全人類待望の新作。

 例のウイルス感染症発生以来、映画全然観てなかったんですけど、バルト9は特に席の間引きとかはしてないのね。上映前の告知で劇場内の換気について専門医の監修で検証したとか咳エチケットについてとかはがっつりやってたけど。

 今回は二重スパイ(正確には違うけど)の話なので、どちらかといえばル・カレ的な、というか『ティンカー、テイラー』ばりの探り合いが続くめっちゃシブい話。とはいえOPのアクションシーンのちせなんかは五ヱ門みがありすぎて、カリオストロみたいに追跡してくる車が縦に真っ二つに切れるのかと思った(笑。

 女の子らしい感情を「ウソ」に紛らわせて見せないのがスパイ、という風に描かれてきたのがTVシリーズでしたが、その先にあるものとして「ウソを吐くのに疲れた男」が登場する。嘘を吐きすぎて自分でもどっちなのかわからなくなってくる、というのも『ティンカー~』っぽい。アンジェがビショップを逃がそうとするのも、コントロールにすら知られていない自分の正体を隠しておくための取引という体になっているけれども、最後にはやはり昔の本当の自分を知る相手への感情がのぞくわけですよね。そういえば古賀葵のアンジェには全然違和感なかったな。

 駆け引きを象徴するチェスの対局シーンがあるんですけど、チェスを「打つ」と言ってたのはやはり気になった。まあチェスは将棋ではないので間違いとは言い切れないのかもしれないが、「内証」とか「時合」とか、シブい言葉遣いが光るシナリオだけにそこは惜しい。将棋ブームきてるのにこういうのは相変わらず目につくなあ。

 最後、珍しくセブンがLを気遣うような様子を見せたのはおそらくLとウィンストンの間には個人的な交誼があったからだろうし、ノルマンディー公が「私の知るあの男なら――」みたいなこと言うてたのも見逃せない。政治的には共和国VS王国以外の外国も絡んできたし、オヤジどものドラマにも期待。

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